前立腺 が ん 骨 転移。 前立腺癌末期患者の在宅介護で大切にするべきポイント|在宅医療の基礎知識

骨転移の頻度が高い前立腺がん

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最近、日本人で患者数が増えていると言われる前立腺がん。 早期に発見すれば、切除手術と放射線治療などで完治を目指すことも可能ですが、進行すると骨やリンパ節への転移が起こることもあります。 前立腺がんにおける基礎知識や転移についての情報をまとめて解説しましょう。 前立腺がんの基礎知識と転移の特徴 前立腺がんは、男性の生殖器のひとつ、前立腺にがんができる病気。 治療のポイントは、がん細胞が前立腺内に留まっているか、外側へ広がっているかどうかによって、変わってきます。 前立腺の内部だけにがん細胞がある場合は完治を目指しますが、前立腺を突き破って外側へ浸潤している場合や、精嚢などに浸潤しているケースでは、切除手術や放射線治療を行っても完治の可能性は低くなってしまいます。 前立腺がんもやはり、早期発見が治療のカギとなります。 主な症状は、頻尿や残尿感、排尿困難など排尿に関する症状が多くなります。 これは、前立腺肥大とほぼ同じような症状で、肥大症の治療を行っている内に早期のがんが発見されるケースもあるようです。 前立腺がんは背骨や肋骨、骨盤などの骨への転移が8割以上を占めます。 そのため、前立腺がんで転移が疑われる場合は必ず骨に転移していないかを調べます。 骨転移の次に多いのがリンパ節です。 とくに骨盤の中の前立腺の周りのリンパ節に多く見られます。 前立腺がんが他の臓器に転移しないよう、骨を検査する「骨シンチグラフィ」やCT検査を行うようにしましょう。 前立腺がんが転移しやすい臓器とその症状、治療法について 原発を前立腺がんとする主な転移先としては、隣接する精嚢や骨、リンパ節への転移が挙げられます。 前立腺がんの転移とその症状について、情報をまとめて解説します。 骨転移 前立腺がんの転移として最も多いのが、背骨や肋骨、骨盤などへの骨転移です。 転移したケースの約8割が骨転移だと言われています。 他の臓器のがんでは、骨への転移は末期であることが多いのですが、前立腺がんは比較的早い段階で骨へ転移することがあるそう。 ですから、前立腺がんが進行していると診断された場合は、真っ先に骨シンチグラフィという弱い放射性物質を使った検査を行い、全身の骨の状態を画像で確かめます。 骨に転移した場合、麻痺やしびれ、痛みが出たり、病的な骨折も多くなります。 骨転移の主な治療法 骨転移を伴う場合はゾレドロン酸やデノスマブといった薬を注入して治療を行います。 これらの薬は破骨細胞(骨を破壊したり吸収したりする働きをもつ細胞)を抑える働きがあり、骨転移の進行を抑制。 また、鎮痛剤により痛みを和らげる治療を行います。 痛みが一部の範囲に限られている場合は、放射線治療が効果的です。 骨折防止のために放射線治療を行う場合もあります。 内分泌治療が効きにくくなった患者に対して、転移している範囲が骨だけであれば塩化ラジウム223(ゾーフィゴ)による内服治療を行う場合も。 塩化ラジウム223は、前立腺がんの骨転移に対する治療薬で、初めてアルファ線を用いたがん治療薬です。 注入されたラジウムが骨転移部位に蓄積し、アルファ線を放出してがんに効果をもたらします。 [注1]• リンパ節転移 骨転移の次に前立腺がんからの転移が多いとされているのは、リンパ節転移。 主に骨盤内にある前立腺周辺のリンパ節へ転移します。 リンパ節転移が悪化した場合は、下肢がむくんだり、下半身麻痺を起こすことがあります。 リンパ節転移の主な治療法 がんが前立腺の外側へ出ていることが分かったら、CT検査などでリンパ節の状態を確認します。 転移が見つかった場合は、ホルモン療法で進行を抑えるよう治療しますが、数年経過するとホルモン療法の効果が薄れてしまうことも。 この場合は抗アンドロゲン剤を追加したり、他の治療法へ切り替えるなどの処置を行います。 精嚢への湿潤(局所浸潤がん) 早期発見された前立腺がんは、前立腺と一緒に精嚢を全摘出されます。 それは、前立腺がんが進行して外側へ飛び出し、すぐそばにある精嚢に湿潤を起こすことが多いからです。 しかし、前立腺がんが進行して精嚢への湿潤が認められた場合は、摘出手術や放射線治療で完治を目指すのではなく、ホルモン療法などでがんの進行を抑える治療法へと切り替えます。 精嚢への湿潤の主な治療法 このケースは、がんが前立腺の周りや精嚢に移ってしまった状態です。 適切な治療によって高い確率で根治が可能です。 転移が進行しているので、外科的治療や放射線療法を行うだけでは効果が低く、ホルモン療法との併用が必要になることもあります。 前立腺がんの治療費用はどれくらいかかる? 「がん保険by保険ソクテラス」が実施したアンケートによると、前立腺がんの治療費の実費結果は全体的には「200万未満」が多く見られました。 ステージごとに見ると「300万以上」が最も多い結果に。 治療期間は1年未満ですが、先進医療技術である「重粒子線治療」を受けている方もおり、その治療費は実費だと約300万円になります。 日本では、2012年2月から前立腺全摘手術が保険適用になり、普及が急速に進んでいます。 費用総額は約150万円ですが、保険が適用されるので3割負担で45万円。 高額療養費も適用が可能です。 [注2]• 前立腺針生検とは? 前立腺針生検とは、前立腺がんの簡便な検査法として用いられているものです。 PSA(前立腺特異抗原)という腫瘍マーカーの測定を行い、前立腺のがんや肥大症の疑いを確認します。 検査の結果、PSAの数値が高いと判断された場合には前立腺がんである可能性が高くなります。 検査自体は10分程度で完了する簡単なものではありますが、検査後発熱などの合併症を発症する可能性があるため、ほとんどの場合は一泊二日程度の入院が必要になるのです。 そのため、入院の費用もかかってしまいます。 感染を予防するためには抗菌薬の点滴なども行うことになるため、詳細な費用については病院によく確認しておきましょう。 また、万が一検査後に合併症などが出た場合は入院日数が長くなる可能性があります。 こういった場合の費用についても確認しておかなければなりません。 ごく稀にではありますが重度の合併症が出ることもあるため、そういった場合には入院費用も高くなりがちです。 先進医療を選択した場合の費用 どのような治療方法を選択するかは人によって違います。 中でも最先端の治療法を試したいと思った場合、保険が適用にならない自己負担による自由診療を検討する方もいるでしょう。 この場合の費用について紹介します。 特に代表的な治療法が重粒子線治療です。 重粒子線治療とは、放射線を用いた治療の一種です。 通常の放射線と違うのは、X線ではなく炭素イオン線を使った治療だということ。 X線の場合、体の表面に与える影響が大きく、ダメージもあります。 がん細胞に対して十分な量のX線を照射させようと思った場合、表面にはさらに強い負荷がかかることになるのです。 一方で炭素イオン線は副作用が少ない放射線治療法として知られており、高い効果が魅力の方法となります。 しかし、保険適用にはならないため、300万円前後の治療費が発生すると思っておきましょう。 そもそも、国内で重粒子線治療が受けられる施設は非常に限られています。 この治療を受けようと思った場合、近くに治療を行っている病院がなければ交通費についても考えなければなりません。 [注3]• 再発予防に関する費用 がんと言えば、やっかいな事に再発の危険性が高い病気でもあります。 治療が終わったあとも再発予防のための定期検査や、治療について考える必要も出てきます。 治療費は人によって大きく違う 同じ症状で入院したとしても、病院によって受ける治療内容は大きく異なる場合があります。 そのため、紹介した治療費用についてはあくまで一つの目安としてください。 1割負担であれば自己負担額はかなり抑えられますが、3割負担になる場合は治療が長引けば長引くほど治療費も高額となります。 ただ、治療費が高額になった場合、高額療養費制度など高額になりがちな治療費をサポートする制度もあるので、そういったものも活用してみましょう。 がんの再発や転移とたたかうには がんに立ち向かう上で、もっとも注意したい「再発や転移」。 たとえ、医師による適切な処置を受けていたとしても再発・転移の可能性はある、ということをわきまえておかなければなりません。 そのため、医療機関のみに頼るのではなく、私たちができる代替医療も率先しておこない「がんの予防線」を何重にも張り巡らせることが、がんとたたかっていく上で極めて重要となってきます。 漢方や鍼灸、アロマ・マッサージ、健康食品、サプリなど、さまざまな代替医療が存在する中で、「グルタチオンS-トランスフェラーゼ」をいかに活発化させるかが、がん再発・転移予防のキーポイントとされています。 グルタチオンS-トランスフェラーゼとは、体内で働く解毒酵素のひとつ。 この酵素を活性化させる野菜として、わさびが注目を浴びています。 わさびに含まれる成分「ワサビスルフィニル(6-メチルスルフィニルヘキシルイソチイオシアネート)」は、このグルタチオンS-トランスフェラーゼを活性化させるとして、論文でも発表されました。 このほかにも、ワサビスルフィニルには、活性酸素を抑える、ピロリ菌などの細菌の増殖を抑制、血流の促進や血栓予防、免疫力向上、といったさまざな効果も。 また、がん細胞の増殖を抑制し、転移を防ぐといった効果も確認されているため、がんの再発・転移とたたかう方はもちろん、すでに転移してしまったという方にも、ぜひ摂取して欲しい成分なのです。 肺転移 肺といえば前立腺からはかなり多い臓器ですが、症状が進行した場合には肺への転移が認められることがあります。 遠隔臓器と呼ばれるもので、病期D とも呼ばれる段階です。 肺への転移を診断するためにはCT検査による画像診断を行うことになります。 他にも場合によっては胸部エックス線検査やPET検査なども行うことになるでしょう。 肺は呼吸器系の臓器ということもあり、呼吸をするだけでも欠かせない役割を持っている臓器です。 多くのがん細胞は肺を通過することもあり、前立腺がんに限った事ではなく、肺への転移が認められことは珍しくありません。 これは、肺は人間が生きていくために必要な酸素を取り込むために欠かせない役割を持っており、全身の血液が循環する働きを持った臓器だからです。 前立腺のように肺から遠い場所にあるがんだったとしても、症状が悪化して血液やリンパに乗ってがん細胞が広がった場合、その血流に乗って肺に流れてくることがあります。 すると、肺には非常に微細な網目構造の毛細血管があり、がん細胞が引っかかりやすくなってしまうのです[注4]。 もしも前立腺がんが肺に転移した場合、咳や痰、肺に水が溜まったことが原因で起きる呼吸困難などの症状がみられます。 こういった症状があった場合、肺への転移についても疑ってみましょう。 もちろん、風邪などでも似たような症状が出るため転移の見極めが難しいところではありますが、心配な症状が少しでもあった場合には医師に相談して診察を受けてみたほうが安心できます。 肺転移の主な治療法 転移性の肺がんだった場合、ポイントになってくるのはもともと発生していたがんの性質に関することです。 つまり、ここでは前立腺がんですね。 肺に転移していたとしても元臓器のがんの性格を受け継いでいるため、重要になってくるのは前立腺がんに働きかける治療法だといえます。 前立腺がんの治療で用いられることが多いのが、ホルモン療法です。 そのため、肺に転移している場合の治療についてもホルモン療法が効果的だといえるでしょう。 この点については、前立腺から他の部位に転移してしまった場合と同じだといえます。 ホルモン療法を行うことにより肺の不調が改善したり、痛みが抑えられるので、取り入れるケースが多いです。 それから、肺に転移していることが確認されたものの、前立腺がんについてはすでに切除されていて肺以外の転移が認められないような場合もあります。 このような場合に関しては、手術が行われる可能性もゼロではありません。 これにはすべての転移巣が切除可能であるなどいくつかの条件が定められているため簡単なことではありませんが、場合によっては肺に転移していたとしても手術での治療が可能であるという点については押さえておきましょう。 もちろん、手術で切除をするということになれば体力なども重視しなければならないため、実際に条件をクリアできるのかなどについては医師の判断によっても変わってきます。 切除可能かどうか判断するためには様々な検査が行われることもありますが、まずは専門医に相談してみましょう[注5]。 対症療法が必要になった場合、酸素の投与や咳や痰を抑える薬が使われることもあります。 状態によっては呼吸困難をひどく感じることもありますが、こういった場合には肺に水が溜まっていることが大きな原因であるため、肺に穴を分けて水を抜いたり、水が溜まらないようにする働きを持った薬を使うなどの治療法も代表的です。 人間が生きていく中で呼吸は当たり前のように行うことということもあり、肺にトラブルが発生した場合には大きな不調を感じることになります。 具体的にどのような治療を取り入れていくのかについては医師とよく話し合いをし、検討していきましょう。 前立腺がんの転移に関わる最新の研究について 前立腺がんに関する試験 前立腺がんに関する試験では、ポジトロン断層撮影(PET)でスキャンした段階では、本試験で対象となる男性全員が、がん細胞上にPSMAが見られるmCRPCであると診断されました。 PSMAは細胞膜に現れる膜タンパクのことで、前立腺がんに罹患している患者の多くはPSMAの数値が高いと言われています。 mCRPCは前立腺がんが増殖して他の部位に転移してしまうことを言います。 試験前に、対象となる前立腺がん患者50〜87歳の前立腺特異抗原(PSA)の数値を調べたところ、中央値でした。 ところが、2. 6カ月後には数値が増加。 がんの進行が早いため原因を調べたところ、ドセタキセル化学療法または抗アンドロゲン療法、アビラテロンやエンザルタミドの両方、もしくはどちらか一方で治療した経験があったと分かりました。 数値の上がった患者に対して、試験では6週間ごとに4サイクルまでLuPSMAを静脈内投与。 LuPSMAとは、低分子リガンドとルテチウム-177と言う放射性薬剤のことで、PSMAに反応して増殖を抑える作用が期待できます。 LuPSMAを投与された患者のPSA値、CT、骨もしくはPETスキャンでの画像診断で経過観察を行ったところ、半数以上の患者のPSA値の減少が見られました[注6]。 LuPSMA療法で良好な数値を出した男性患者は、その後6. 9ヶ月はPSA値は中央値であり、がんの進行が見られませんでした。 一方でがんの進行が確認された男性患者のうち14人は、2サイクルのLuPSMAを追加で投与。 今後の展望 前立腺がんの初期の治療として良い結果を残せたため、さらにLuPSMAの有用性を高めるためにランダム化試験を開始すると発表しています。 LuPSMAと化学療法の比較、LuPSMAと標準治療の比較が行なわれるそうです。 試験結果によっては、前立腺がんの治療に有効な一手が追加されることでしょう。 前立腺がんの転移を遅延させる?ダロルタミドについて 規模の大きな臨床試験が行われた結果、開発中の薬剤「ダロルタミド」は、非転移性去勢抵抗性前立腺がん患者に使用すると、他の部位へのがん細胞が転移するまでの時間を遅らせるために有効だと分かりました。 また、前立腺がんの治療に利用される類似薬で起こるリスクが高い副作用の症状も見られないことも報告されています。 これまで、非転移性去勢抵抗性前立腺がんになると、効果的な治療は選べませんでした。 例をがえると前立腺がんの治療は、体の中に存在するアンドロゲンを低い状態、もしくは検知できない状態に維持するためにアンドロゲン除去療法(ADT)が行なわれます。 しかし、この治療を受けたとしてもがん細胞は増え続けてしまうため、根本的な解決には至りませんでした。 近年、前立腺がんの治療に適した新薬が米国食品医薬品局(FDA)に承認されましたが、これらの新薬に続き、ダロルタミドの効果に期待が寄せられています。 ARAMIS試験の中間解析によると、ダロルタミドの治療に関して副作用のリスクについては「プラセボ群とダロルタミド群とはほぼ同じ程度である」としました。 ダロルタミドはプラセボと比べて発作、骨折や転倒、認知機能への影響、高血圧といった副作用の影響が低いと発表されています。 NCIがん研究センターの前立腺がん臨床研究部門長のWilliam Dahut医学博士は、非転移性去勢抵抗性前立腺がんと診断された男性に対して行われたARAMIS試験に関して、「ダロルタミドの使用は薦めるに価するものであった」と述べています 臨床試験に参加していないDahut医師は「中枢神経系に対する副作用については、他の薬よりもリスクが低くなるのではと考えている」と、発言しています。 アンドロゲン受容体への作用 ダロルタミドは、アンドロゲン受容体阻害剤と言う種類の薬です。 アンドロゲン受容体阻害剤に分類される薬は、体の中でアンドロゲンとアンドロゲン受容体が結合・競合することによって、アンドロゲンが関係する前立腺がん細胞の増殖を抑えます。 FDAは、非転移性去勢抵抗性前立腺がんと診断された男性に対してアパルタミド(アーリーダ)とエンザルタミド(イクスタンジ)の2種類の薬を承認しました。 承認に至った臨床試験で、2種類の薬剤は非転移性去勢抵抗性前立腺がんと診断された男性の腫瘍転移の確率を下げる、もしくは生存期間の平均値を伸ばすことが認められました。 いずれの試験でも、プラセボ投与群と比べて転移せずに生存した期間を倍以上に延ばせました。 アパルタミドの試験については40カ月:16カ月、エンザルタミドの試験では36. 6カ月:14. 7カ月です。 しかし、2つの薬を使用した治療を行うことにより、疲労、認知機能への影響といった中枢神経に関連する副作用が確認されました。 グロルタミドには、これらの副作用の可能性が低いのではないかとされています。 ARAMIS試験について ARAMIS試験とは、バイエル社、オリオンコーポレーション社(ダロルタミドの共同開発者)が出資して行なっている試験です。 研究の対象者は、前立腺特異抗原(PSA)がこれまでの臨床試験をもとに、転移や死亡増加リスクの可能性がある男性を対象としました。 ARAMIS試験では、体の他の部位へ転移する可能性が高い非転移性去勢抵抗性前立腺がん患者1,500人以上が参加。 患者に対しては、アンドロゲン除去療法だけではなくダロルタミドもしくはプラセボでの治療を行いました。 追跡での投与期間の平均値は17. 9カ月であり、転移せずに生存した期間の平均はアンドロゲン除去療法群とダロルタミドでは40. 4カ月でした。 アンドロゲン除去療法群とプラセボでは18. 4カ月です。 ダロルタミドの構造について ダロルタミドは、エンザルタミドやアパルタミドとは違う化学構造であることが特徴です。 臨床試験の著者は、独特の科学構造であることが、ダロルタミドの副作用のリスクが低い理由であるとしています。 Fizazi医師は「基本的にダロルタミドは血液脳関門を通らないが、エンザルタミドとアパルタミドは通過する」と述べています。 しかし、血液脳関門とダロルタミドに関する内容は、ヒトではなく動物(げっ歯類)での研究結果であるとしています。 臨床試験で出されたデータのうち、中枢神経系に関わる副作用のリスクの低さは、げっ歯類で行った研究データと一致しています。 Fizazi医師は「中枢神経系に到達した薬に関わりがあると考えられる副作用は、めまい、疲労感、発作、認知障害である」としています。 「ダロルタミドで治療を行った患者達とプラセボ治療の患者で、副作用の起こる確率について異なる部分はない」と伝えています。 また、研究では、発作の症状が見られる患者が試験に加わっていたことも指摘しました。 治療による副作用の低さは、前立腺がんの症状が出ていない患者にとって非常に重要なことであるといえます。 ダロルタミドの今後の研究 進行中の転移性去勢抵抗性前立腺がん患者を対象に、グロルタミドとエンザルタミドを使った研究を行なっています。 患者には先にどちらかの薬を服用してもらい、その後、もう一方の薬を服用してもらいます。 この比較試験により、患者にどの薬が好まれるかを検証している段階です。 グロルタミドの開発を行なっているバイエル社とオリオン社は、現在FDAに新薬承認申請書を提出しています。 今後は、前立腺がん患者自身が薬を選べるようになってくることでしょう。

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前立腺がんが骨転移した時の余命や生存率!痛み等の症状や予後も

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前立腺癌の緩和ケア によると、前立腺がんは 罹患数が全体の第5位に入っています。 男性しかならないがんにもかかわらず罹患数が5位なのです。 数としてはいかに大きいかわかります。 なお女性しかならないがんである子宮がんは体がん16400人、頚がん11300人で、その数と比較すると多いですね。 全がんの4位である乳がんは罹患数が89100人で、前立腺がんの86100人はそれに近接します。 なお乳がんは、男性でも少数ながらなる確率があります。 前立腺がんの死亡数は全体の第8位で、男性の6位になっています。 前立腺がんは高齢化や食生活の欧米化などが関係しているとされ、増加傾向です。 アメリカにおいてはなんと罹患数は1位、死亡数は2位となっています。 しかも 日本でもいずれ罹患数が1位となるだろうとのこと。 前立腺がんは甲状腺がん等と同様に、 進行しないがん、命と関係しないがんがあることが知られており、低リスク群には監視療法も行われています。 総じて、進行は緩徐なケースが多いようですが、個人差があります。 前立腺がんは、 好発する転移場所が問題となり、 緩和ケアの視点からもそれを注視する必要があります。 また患者さんには ご高齢の男性が多いため、がんだけではなく様々な病気や、身体的衰弱、認知症など、 他の健康上の問題やご病気を併せ持っておられることも多く、 前立腺がんがその他の病気を悪化させることもあります。 前立腺がんの緩和ケアについて解説します。 前立腺がんの体の苦痛症状と緩和ケア 前立腺がんと痛み 前立腺がんといえば……、というくらいポピュラーな転移先があります。 それは 骨です。 前立腺がんは、全身のあらゆる部位の 骨に転移を起こす可能性があります。 問題になるのは 脊椎、一般にいう 背骨です。 このような脊椎骨は、転移が好発します。 骨転移の痛みの形式としては、 体性痛というものに分類されます。 体性痛は場所がはっきりした痛みですし、鋭さがあります。 また骨への転移は、その骨に力が加わることで痛みが悪くなりますので、 体動時痛(たいどうじつう)という動いたときの痛みが1つの特徴です。 体性痛にも医療用麻薬がある程度効きます。 ただ骨転移痛は炎症も強いですから、胃・十二指腸潰瘍や腎機能障害がなければ、ロキソプロフェン(商品名ロキソニン)のような 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を併用することが、緩和治療の1つのポイントになります。 他にも、破骨細胞という骨を吸収する細胞の働きを抑える薬剤(商品名ゾメタやランマーク)等を用いたりすることもあります。 によると、 ゾメタやランマークの治療により、『痛み、骨折、放射線療法、手術』などの発生を、行わない患者さんに比べて16ヶ月遅らせることができるといわれているとのこと。 背骨への転移は、重大な結果を招くことがあります。 これは 「即対処」が必要なので、皆さんもぜひ知っておいてください。 脅かしではなく(真剣です)、本当に「即即対処」すべきです。 背骨(脊椎)の後ろには何があると思いますか? そう「脊髄」です。 脊髄の障害で車椅子になった……という障碍者の方の話を皆さんも聞いたことがあるかもしれません。 脊髄は運動神経や知覚神経が集まる、人の神経の中枢です。 ここが障害されると、運動麻痺などを起こし、また現在の医学では神経再生を臨床レベルで行えておりませんから、 一度不可逆的な神経障害を起こしてしまうと、もう元には戻りません。 脊椎の転移により骨が変形あるいは骨折などすると、後方の脊髄を圧迫し、運動障害を起こします。 初発症状としては、 両足のしびれ(好発部位の腰椎の場合)であることが多いです。 時期を逸すると、 完全麻痺になってしまいます。 前立腺がんで(あるいは他のがんでも)脊椎転移を指摘されている方は、 両足のしびれや動きが悪いなどの症状が出たら、すぐにかかりつけの病院に連絡をしてください。 緊急の放射線治療や手術で神経障害の進展や障害の固定を食い止める必要があります。 前立腺がんと痛み以外 前立腺がんは、 骨以外の重要臓器への転移が必ずしも多くないがん種です。 それが比較的長期に生存する例が多いことと関係しているかもしれません。 ただ高齢の男性が患者さんには多いですから、経過中他の病気を発症したり、元々の病気が悪化したりするなどして、総合的に衰弱してくることがしばしばあります。 肺塞栓症(動かないと下肢静脈血栓症も起こしやすくなります。 そこから血栓が肺に飛ぶ)、脳梗塞、誤嚥性肺炎を繰り返す例もあります。 実際、私が拝見した前立腺がんの患者さんはこれらを発症された方がいます。 前立腺がんの骨転移は、痛いので、あるいは神経障害から、動きを低下させます。 それが筋力を落とし、これまでできたことができなくなったりなど、 一つの病気が全体のバランスを崩すことで、多様な問題を引き起こします。 若い人には起こりにくい問題が、ご高齢の方だから起こる、というのは医学の世界では非常によくあることです。 ご高齢の方固有の問題を前立腺がんの患者さんは有している場合がありますから、 老年医学的な配慮も欠かせません。 前立腺がんと心理的な問題、治療に関する問題 前立腺がんは長期生存が必ずしも珍しくない腫瘍ですし、また治療も内分泌療法ならば抗がん剤治療である化学療法よりも負担は少ないです。 ただ内分泌治療も抗がん剤治療もそれぞれ副作用がありますので、もちろん症状には配慮してゆく必要があります。 患者さんはご高齢の男性が多いことは何度も述べてまいりましたが、個人差はあるものの、あまりご自身の思いや症状を積極的に話さない方も少なくないため、 コミュニケーションに工夫するなどして対応することが大切になっています。 まとめ 前立腺がんも他のがん種と同様に、様々な苦痛症状を起こします。 転移の問題は圧倒的に骨なので、痛みなどにはしっかりと対処し、脊髄障害が出たら即対応するように十分知ってもらうことが大切です。 前立腺がんの患者さんはご高齢の男性が多いため、元々健康上のリスクや病気を抱えていらっしゃる場合や、骨の痛みで動かないことが微妙な全身のバランスを崩し、さらなる衰弱をもたらす疾患を呼び込む可能性もあります。 その点で、 症状緩和に関しても、緩和ケアの視点ばかりではなく、老年期の医学の観点からも治療・ケアを行うことが大切です。 患者さんだけだと医師からの病状説明も心細い場合もあるかもしれません。 ご家族の方もサポートして、十分医師から話を聞いて、最良の決断をしていただくのが良いでしょう。 2020年4月12日• 2020年3月5日• 2020年1月19日• 2019年12月28日• 2019年8月16日• 64,664ビュー• 61,928ビュー• 61,346ビュー• 36,187ビュー• 9,422ビュー• 8,960ビュー• 7,637ビュー• 6,083ビュー• 5,209ビュー• 5,199ビュー カテゴリー•

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西郷輝彦ががん再発!ステージは?治療や復帰は?前立腺を全摘したのになぜ再発?|ニュースポ24

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内側の「内腺」と外側の「外腺」から成り、真ん中を尿道が貫いています。 前立腺がんが発生しやすいのは、尿道から離れた外腺部分で、このため早期には排尿への影響はほとんどみられません。 もともと前立腺がんは欧米人に多く、日本人はかかりにくいとされてきました。 ところが最近、日本でも急増しており、12年後の2025年には男性では胃がんを抜き、固形がんのトップになると予測されています(図1)。 その原因としてまず考えられるのが高齢化です。 前立腺がんは60歳を過ぎるころから発症し、加齢とともに罹患率が加速度的に高くなっていきます。 男性の平均寿命は79歳まで伸びており、長寿が前立腺がんの増加にそのままつながっています。 もう1つはPSA検査の普及です。 前立腺がんになると、「PSA(前立腺特異抗原)」という糖タンパク質がたくさん作られ、血液中に増えます。 その値を測定することで、がんの可能性をチェックしようというのがPSA検査です。 「検診や人間ドックなどでPSA検査が行われるようになり、以前は見つけられなかった早期がんが発見できるようになったことも、前立腺がん増加の一因になっている」と北里大学医学部泌尿器科講師の佐藤威文さんは話します。 進行前立腺がんの80%に骨転移が 前立腺がんは進行が緩やかで、比較的予後の良好ながんですが、一方で骨転移しやすいという特徴もあります。 佐藤さんによると、ホルモン療法が効かなくなった進行性前立腺がんの80%に骨転移が認められるといいます。 骨転移は、がん細胞からはがれ落ちた一部が、血流に乗って骨に到達し、そこに住みつき、増殖することで起こります。 前立腺がんの場合、リンパ節転移も多く、リンパ管から骨への転移もあります。 部位としては、骨盤骨、腰椎、脊椎など体を支える骨への転移が多く、進行すると他の骨にも転移が進みます。 「骨転移による代表的な症状は痛みです。 転移の初期にはあまり痛みを感じない患者さんもいますが、転移の進行・広がりとともに、がん性疼痛を訴えるケースが増えてきます。 また脊椎に転移して、中を通る脊髄を圧迫すると、麻痺など重篤な症状を引き起こします。 さらに、骨がもろくなるため病的骨折のリスクも高まります」(佐藤さん) 骨の健康を保ちながら、がん治療を 骨転移に伴うがん性疼痛、病的骨折などの症状を「骨関連事象(SRE)」と呼びます(図2)。 つまり、骨転移のある患者さんでは、骨の健康を保ち、骨関連事象をしっかり予防しながら、がん治療を進めていこうという考え方です。 佐藤さんは「前立腺がんでは転移が起こっても、期待余命(あと何年生きられるかの年数)が2~3年と比較的長い。 また北里大学の検討でも、全身で5カ所以内の骨転移症例(EOD1 *)の5年生存率は70%と高いことが確かめられています。 この残された時間を、QOLを良好に保ちながら、有意義に過ごしてもらうことが大事。 泌尿器科医にとって骨は異質な領域。 このため、以前はあまり関心が寄せられませんでした。 しかし、前立腺がんが急増し、転移例が増えるなか、骨のマネジメントは緊急の課題となっています。

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