特発 性 血小板 減少 性 紫斑 病 ガイドライン。 特発性血小板減少性紫斑病 (免疫性血小板減少症)

特発性血小板減少性紫斑病(ITP)を治療せずに、血小板の減少を防いだ3つの方法

特発 性 血小板 減少 性 紫斑 病 ガイドライン

最近、欧米において本症は、一次性免疫性血小板減少症(primary immune thrombocytopenia)と呼ばれることが多い。 種々の出血症状を呈する。 通常、赤血球、白血球系に異常を認めず、骨髄での巨核球産生能の低下も見られない。 ITPの診断は今でも除外診断が主体であり、血小板減少をもたらす基礎疾患や、薬剤の関与を除外する必要がある。 最近では、ITPにおいては血小板破壊亢進のみならず、血小板産生も抑制されていることが明らかにされている。 血小板自己抗体が骨髄巨核球にも結合し、血小板の産生障害を引き起こしていると考えられる。 2.原因 病因は不明であり、抗体産生機序は明らかにされていない。 小児ITPではウイルス感染や予防接種を先行事象として有する場合がある。 3.症状 小児ITPでは、ウイルス感染が多くの場合先行し、急激に発症し数週から数か月の経過にて自然治癒することが多い。 急激に血小板が減少する場合には、出血症状も高度であることが多い。 一方、血小板数が徐々に減少し、推定発病から6か月以上、年余にわたって慢性的に持続する場合は、発症時期が不明なことが多い。 臨床症状は出血症状であり、主として皮下出血(点状出血又は紫斑)を認める。 歯肉出血、鼻出血、下血、血尿、頭蓋内出血なども起こり得る。 これらの出血症状は何ら誘因がなく起こることが多く、軽微な外力によって出血しやすい。 これらの症状を呈した場合は入院の上、副腎皮質ステロイドやガンマクロブリン大量療法に加え、血小板輸血も考慮する。 4.治療法 ピロリ菌が陽性の場合、まず除菌療法を行うことを推奨している。 一方、除菌療法の効果のない場合やピロリ菌陰性患者では、第一選択薬は副腎皮質ステロイドとなる。 副腎皮質ステロイドは網内系における血小板の貪食および血小板自己抗体の産生を抑制する。 発症後6か月以上経過し、ステロイドの維持量にて血小板を維持できない症例、ステロイドの副作用が顕著な症例は積極的に脾摘を行う。 脾摘が無効の時、ステロイド抵抗性で脾摘が医学上困難である場合にはトロンボポエチン受容体作動薬の適応となる。 その他の治療としては、ガンマグロブリン大量静注療法は一過性ではあるが高率に血小板数の増加が期待され、外科的手術時、分娩時、重篤な出血時など緊急に血小板増加が必要時には有用である。 重篤な出血が認められる場合には血小板輸血も考慮される。 さらに、ITPの治療を行う上における治療の目標は、危険な出血を防ぐことにある。 5.予後 小児ITPでは、大部分が6か月以内に自然に血小板数が正常に戻ることが多く、慢性化するものは10%程度。 成人慢性ITPでは、約20%は副腎皮質ステロイドで治癒が期待されるが、多くは副腎皮質ステロイド依存性であり、ステロイドを減量すると血小板数が減少してしまうため長期のステロイド治療が必要となる。 ただし、それでも残りの約5~20%は治療に抵抗性(あるいは難治性)で、出血に対する厳重な管理が必要。 ) 5.診断基準 あり(現行の特定疾患治療研究事業の診断基準を研究班にて改訂) 6.重症度分類 研究班のITPの重症度分類を用いてStageII以上を対象とする。 出血症状は紫斑(点状出血及び斑状出血)が主で、歯肉出血、鼻出血、下血、血尿、月経過多なども見られる。 関節出血は通常認めない。 出血症状は自覚していないが血小板減少を指摘され、受診することもある。 自動血球計数のときは偽血小板減少に留意する。 3 免疫学的検査 血小板結合性免疫グロブリンG(PAIgG)増量、ときに増量を認めないことがあり、他方、特発性血小板減少性紫斑病以外の血小板減少症においても増加を示しうる。 3.血小板減少を来たしうる各種疾患を否定できる。 除外診断に当たっては、血小板寿命の短縮が参考になることがある。 感染症については、特に小児のウイルス性感染症やウイルス生ワクチン接種後に生じた血小板減少は特発性血小板減少性紫斑病に含める。 先天性血小板減少症としては、ベルナール・スーリエ(Bernard-Soulier)症候群、ウィスコット・オルドリッチ(Wiskott-Aldrich)症候群、メイ・ヘグリン(May-Hegglin)症候群、カサバッハ・メリット(Kasabach-Merritt)症候群などがある。 5.参考事項 1. 症状及びび所見 A.出血症状 「出血症状あり、なし」及び「出血症状」は認定基準判断材料とはしない。 B.末梢血所見 l 「白血球形態異常あり」あるいは「赤血球形態異常あり」の場合は、白血病、骨髄異形成症候群(MDS)鑑別のため骨髄検査を求める。 l 「MCV(平均赤血球容積)」が、110以上の場合は骨髄検査を求める。 l 「白血球分画」で好中球が30%未満あるいはリンパ球が50%以上の場合は、骨髄検査を求める。 C.その他、参考となる検査所見 l その他、参考となる検査は特発性血小板減少性紫斑病(ITP)認定に必須の検査ではない。 検査成績が不明又は未回答であっても認定可とする(抗血小板自己抗体検査、網状血小板比率、トロンボポエチン値は、いずれも保険適用外の検査であり、多くの施設で実施は困難であるため)• 「抗血小板自己抗体検査」が陽性の場合は、ITPの可能性が非常に高い。 陰性の場合もITPを否定できないので認定可とする。 「網状血小板比率」が高値の場合は、ITPの可能性が高い。 正常の場合もITPを否定できないので認定可とする。 「トロンボポエチン値」は、高値、正常どちらであっても認定可とする。 「HBs抗原」、「抗HCV抗体」が陽性の場合、鑑別診断の項で肝硬変を鑑別できるとしている場合は認定可とする。 「ヘリコバクタ・ピロリ菌」は、陽性、陰性いずれでも認定可とする。 l 「骨髄検査」については検査手技などにより有核細胞数や巨核球数が低値となることがあるので、有核細胞数や巨核球数が低値であってもITP認定可とする。 l 「骨髄所見」で異型細胞が存在している場合は認定できない。 2. 鑑別診断 鑑別診断の項で「鑑別できない」と記載されている時は、ITPと認定できない。 3. 現在までの治療 「治療の有無」、「実施した治療」は、ITP認定の判断材料とはしない。 <重症度分類> 重症度基準でStageII以上を対象とする。 2.治療開始後における重症度分類については、適切な医学的管理の下で治療が行われている状態であって、直近6か月間で最も悪い状態を医師が判断することとする。 3.なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが必要なものについては、医療費助成の対象とする。 本疾患の関連資料・リンク 「成人特発性血小板減少性紫斑病治療の参照ガイド2019年版」 「妊婦合併特発性血小板減少紫斑病診療の参照ガイド」.

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血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)(指定難病64)

特発 性 血小板 減少 性 紫斑 病 ガイドライン

特発性血小板減少性紫斑病 免疫性血小板減少症 血液・リウマチ膠原病科(特任 教授 ) 福島 俊洋 1. 特発性血小板減少性紫斑病 免疫性血小板減少症 とは 「特発性血小板減少性紫斑病」は「血小板」という出血を止める血球の数が減って血が出やすくなる、あるいは血が止まりにくくなる病気です。 骨髄で血小板を作る「巨核球」が減っていないのに血小板が減るので、「特発性 原因が明らかでないという意味 」とされてきました。 現在では免疫の異常により血小板に対する自己抗体 「抗血小板抗体」 ができ、血小板が脾臓で壊されやすくなることが血小板の数が減る原因であることが明らかになり、「免疫性血小板減少症」という名前で呼ばれるようになってきました。 なお、特発性血小板減少性紫斑病も免疫性血小板減少症も英語の略号は「ITP」です。 毎年、人口10万人当たり約2人が発症すると言われています。 小児では自然に良くなることの多い「急性型」が、大人では経過が長い「慢性型」が多く、また、慢性型は若い女性に多いとされています。 この病気は厚生労働省の難病 「特定疾患」 に指定されており、手続きを行えば国から医療費の補助を受けることができます。 症状 血小板は骨髄で作られ、血液 1mm 3あたり15万-35万個存在します。 血小板の数が基準値を下回ってもすぐに症状が出るとは限りませんが、通常、3万を下回ると症状が出やすくなると言われています。 主な症状として、「点状出血」「紫斑」があります。 これらは皮膚の内出血によるもので、数ミリ程度の赤~紫色の斑点状の皮疹です。 かゆみが無く、押さえても消えないのが特徴です。 そのほか、鼻血や歯肉からの出血、小さな傷でも血が止まりにくい、女性の場合には月経の出血が止まりにくいなどがあります。 血小板がさらに減ると脳出血のような命にかかわる出血の危険性が高まります。 治療 血小板の数が2万-3万を下回る場合、治療が必要とされています。 ただし、維持すべき血小板数は年齢、ライフスタイル、出血症状の程度により異なります。 日本ではまず最初にピロリ菌の感染を確認し、陽性であれば抗生物質2種類とプロトンポンプ阻害剤という胃潰瘍や逆流性食道炎に対する薬を使ってピロリ菌を除菌します。 ピロリ菌の感染者であれば6割の患者さんに有効とされています。 ただし、人種差が大きく、欧米ではあまり行われていません。 また、日本でも小児の患者さんには効果が低いとされています。 ピロリ菌の感染の無い患者さんや、ピロリ菌除菌で効果が得られなかった患者さんには副腎皮質ステロイドによる治療を行います。 日本では体重1kgあたりプレドニゾロン 1. 0mgの内服から開始し、効果をみながら減らしていきます。 また、副腎皮質ステロイドには糖尿病、骨粗しょう症、感染、胃潰瘍、白内障、不眠などさまざまな副作用があり、注意が必要です。 副腎皮質ステロイドの効果が十分でない場合や副作用などで継続困難な場合には、脾臓を取る手術「摘脾」を行います。 脾臓は血小板を壊す場所であるとともに、病気の原因である抗血小板抗体を作る場所でもあるため、摘脾は最も完治の可能性の高い治療と考えられていて、約半数の患者さんで追加治療の必要がなくなります。 また、摘脾には以前は開腹手術が必要でしたが、近年多くが内視鏡手術で行われるようになっています。 摘脾など、手術前には血小板の数を高めておく必要があり、手術1週間前から「免疫グロブリン」の点滴を行います。 脾臓を取ると感染をおこしやすくなることが知られており、注意が必要です。 ここ数年の間に特発性血小板減少性紫斑病の患者さんでは血小板を増やす「トロンボポエチン」という造血因子が不足していることが明らかになるとともに、治療としてトロンボポエチン受容体作動薬が有効であることが明らかにされました。 トロンボポエチン受容体作動薬はすでに日本でも保険診療として承認されており、今後摘脾よりも優先される可能性もあります。 欧米では悪性リンパ腫に対する治療薬であるリツキシマブも広く用いられていて、将来日本でも使用できるようになる見込みです。

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特発性血小板減少性紫斑病 (免疫性血小板減少症)

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概要 血栓性血小板減少性紫斑病とは、ADAMTS13と呼ばれるタンパク質のはたらきが悪くなることで、血管の中に血の塊 血小板血栓 が生じ、結果的に血小板が減少して出血班をきたす病気を指します。 発熱や皮膚のあざ、息苦しさ、疲れやすさ、精神症状、腎臓の機能障害などが見られる可能性がある病気です。 血栓性血小板減少性紫斑病は、日本においては難病指定を受けた病気のひとつに挙げることができます。 これによると、人口100万人当たり毎年4人程度の患者さんが、血栓性血小板減少性紫斑病の発症に至ると想定されています。 血栓性血小板減少性紫斑病は、生まれつきの原因(先天的な原因)をもとにして生じることもあれば、後天的な要因(後天的な原因)をもとにして引き起こされることもあります。 原因検索を行いつつ、血漿交換療法、ステロイド、抗血小板薬の使用などが行われます。 病状が急速な経過で増悪することもあるため、病気の存在が疑われ次第、早急に対応することが求められる病気です。 原因 血栓性血小板減少性紫斑病は、ADAMTS13と呼ばれるタンパク質のはたらきが悪くなることを原因として発症します。 ADAMTS13は、血小板がうまくはたらくために必要不可欠なタンパク質です。 このはたらきが阻害されることで、血栓性血小板減少性紫斑病に特徴的な症状が引き起こされると考えられています。 生まれつき、ADAMTS13をつくるために重要な遺伝子に異常があると血栓症血小板減少性を発症することがあります。 この場合、常染色体劣性遺伝と呼ばれる遺伝形式をとり、親子間の病気の遺伝が問題となることもあります。 また、後天的な要因としては、免疫機能の異常、HIV感染症、肝臓の機能低下などを例に挙げることができます。 症状 血栓性血小板減少性紫斑病では、発熱やが生じたり、血の塊が血管に詰まったりすることから、さまざまな臓器に異常が見られる場合があります。 貧血が生じると、疲れやすくなったり、動悸を感じたりするようになります。 また、臓器障害に関連した症状として、以下のものがあります。 タンパク尿• 尿がでない• 意識変容• 話しにくさ• 手足の動かしにくさ• けいれん など 血の塊が形成されることと関連して、手足にあざができやすい、口腔粘膜に出血が見られるなどの症状につながることがあります。 さらに、出血をきたすことから、全身状態の悪化を見ることもあります。 さまざまな症状が見られる可能性のある血栓性血小板減少性紫斑病ですが、患者さんによって見られる症状が異なることも知られています。 治療 血栓性血小板減少性紫斑病では、体内で不足しているADAMTS13のはたらきを補填することが重要です。 ADAMTS13は血液中に含まれるタンパク質であるため、新鮮凍結血漿と呼ばれる献血成分の投与を受けることがあります。 また、ADAMTS13が不足している患者さんの血液成分と、健常人から得られた血液成分を交換する「血漿交換」と呼ばれる治療方法が選択されることもあります。 先天的なものが基盤となっている場合には、定期的に新鮮凍結血漿を補充することが必要とされる場面もあれば、病状の増悪があるときに限った対応ですむ場面もあります。 ステロイド療法、抗血小板療法、免疫抑制剤の使用など、病状に合わせて検討されることもあります。 血栓性血小板減少性紫斑病は、診断そのものに難渋することがあり、迅速に対応することが求められる病気です。 そのため疑わしい症状がある際は、早期に医療機関を受診することがとても大切です。

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